■Day-2 (午前) SeeedStudio社屋を見学 [2014/12/09]

この日は、午前中にSeeedStudio、午後からSeeedと関連のあるローカル工場を3つ見学する予定。

ホテルに朝食が付いていないので、買い出しのためホテル前のコンビニへ。 日本でいうコンビニおでんのごとく、店内調理のおかゆのようなものが売っている。 おいしそうにも見えるが、どうにもビビって買えず、日本ブランドの乾きモノばかりをセレクト。

朝8時30分にロビーに集合。おかゆのようなモノを手にしている方も多く、ポッキーなんぞ食べている者は皆無。ちょっとへこむ。 気を取り直して、高須さんが手配してくれたマイクロバスでSeeedStudioへ。これ、単独で来ていたらバスの手配なんてできない。 改めてこのツアーのありがたさをかみしめる。

SeeedStudioは改めて紹介するのもためらわれるほど、皆さんお世話になっている企業(だよね?)。 あのFusionPCBもSeeedのビジネス。信頼できる正しい英語と、近代的なデザインのWebページ。サービスも日々進化している。 確かに阿里巴巴なんかとと比べるとちょっと高いものもあるけれど、なんだかんだでSeeedを使ってしまう人もおおいはず。


バスに乗ること50分、9時20分にSeeedのオフィスに到着。

Seeedがアプローチする顧客の層分類と、その層ごとにSeeedが提供する商材について教えていただく。 この分類というのはSeeedの経営理念に関わる重要なことのようだ。すなわち、Seeedが分類する層ごと、たとえば

  • Dreamer:自分で回路設計ができない層には工作キットを
  • Maker:設計して製作するが、商用クオリティにはまだ達しないモノづくり層にはモジュール基板やP板製造を
  • Veteran Maker:商用クオリティに達するレベルの試作品を設計製作する層にはオープンパーツライブラリーを

というように、すべての層にアプローチする商材を整え、ある層の顧客を、一層上に引き上げる手助けをするのがSeeedの理念である、ということであった。 f:id:dickbruna:20141209093505j:plain:right,w230 なるほど興味深い。自分の注文しているものを考えながら、早く「10K+」の人物になりたいものだと考える。 意味がくみ取れなかったのは「オープンパーツライブラリー」というもの。質問の機会も逃してしまって、結局わからないままに。無念。


ここで重要なお知らせ。実は私は英語が超苦手です。このレポートにおける外国人の発言は、すべて顔色や身振りから抽出したものです。できるかぎり正確を期して記述していますが、そもそも大きく意味を取り違えている可能性が高いことをご承知おきください。

プレゼンを聞いて質疑応答の後、Seeedの社屋を見学。

社屋はビルの2フロアを借り切っており、オフィスと倉庫のフロアと、実装工場のフロアに分かれている。かなり広い。ビルの外見はそれほど新しい感じではないのだが、 中はたいへんきれい。


まずはオフィスフロアを見せていただく。


アメリカ経験のある社長のエリック・パンの趣味だろうか、壁に会社の経緯が貼ってあったり落書きがあったりと賑やかだった。メンバーも若い人ばかりで、開放的な雰囲気。日本のトラディショナルな会社の雰囲気しか知らないので、全く違う空気にちょっと感動。


次に実装工場のフロア。

SMDはマウンターで、スルーホール部品は手挿入・手半田で実装している。

中国を訪問して初めて見る工場だったので、まあこんなもんだよね、と思っていたのだけれど、いま考えると、中国とは思えない、しつけの行き届いたすごい工場だ。

それなのに、「この半田ごては偽物かもですね~」「あっホントですね~」なんてささいな中国っぽさを探しあったりして、本当に失礼なことをしました。

作業員の腕にある静電リストバンドと、局所排気設備に注目。日本でも徹底できているところがどれほどあるだろうか。

なお、しつけの行き届いた工場は深圳で3つ見た。1つはここSeeedで、あとの2つは後ほどでてくる。そのいずれも外国が絡んでいるのが興味深い。


いよいよ自動実装のラインを見せていただく。

半自動のクリーム半田印刷機。基板の投入取り出しをするために、オペレータが1人張り付いている。機械はよく調整されている様子

SMDマウンターはSAMSUNG社製。リフロー炉はローカルメーカー製のようだ。

AOIなどの検査機はなかった。目視で検査して、最後に動作確認すればよいという判断だろう。気持ちはわかる。


社屋を見せていただいた後、ビルの1階にある食堂へ。社員食堂的な雰囲気。まず最初にごはんが盛られ、そのあと、すきなおかずを乗せてもらうしくみ。おかずは8元・6元・4元で、それぞれ6種類くらいある。迷った末、8元の豚ナスっぽいのと、6元の鶏っぽいのをチョイス。自動的にスープが1カップついてくる。これ、なんだかべちゃっとしてイマイチな見た目なのだが、タレがトロりとごはんに絡み、文句なくうまい。合計14元だから300円くらい。安いとは言えないのかもしれないが、その味に大いに満足。



このあと、Seeedが入る建屋の前で記念撮影を行い(これがFacebookに載った)、午後の予定であるSeeedの関連工場へと移動するためバスに乗り込む。13時ちょうど。

午後から見学させていただく工場は3つある。金属系のNC加工工場、プリント基板工場、射出成形工場である。この網羅感のあるチョイスに高須さんのセンスを感じる。

あぁ、工場も普通にきれいだったし、ご飯もおいしいし、みんな活き活きと働いているし、中国って案外いいところだなぁ、など思いつつ、のんびりバスに揺られる。

でも、やっぱり中国はこんなのばかりじゃなかったのだ。この後、我々はショッキングな光景を目にすることになる。



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