■Day-1(後半) 夜の電気街ツアー [2014/12/08]

16時30分、ロビーに降りてゆく。かなりの数の人々がすでに集まっている。なぜだかわからないけれど、一目でそれとわかるのが不思議である。

さっそく深圳の電気街「華強北 = Huaqiao Bei(ファーチャンペー)」へ繰り出す。先導はもちろん高須さんである。中国の雑踏に、ネコミミが少し飛び出ている。はぐれようがない。

ホテルは電気街から歩いてわずか5分という好立地。少し歩くと、あっというまにそれらしい雰囲気になってくる。

高須さんがモールに入ってゆく。我々も後に続く。まず圧倒されるのはそのスケールである。7階建てくらいの巨大なモールに、テナントがぎっしりひしめいている。

モールの中はラジオデパート的な感じで、小さな間口の個人商店がテナントとして入る形式。


売っているモノはまさに多種多様。携帯電話からGoProのようなカメラ、ヘンな時計まで、なんでもある。


3階へ上がってみると、USBメモリの内部基板だけを売る店、電源モジュールの店など、半完成品の店が増える。どうやら上の階に行くほど完成品から部品へと近づくようだ。4階へ上がると、予想通りコネクタや受動部品のテナントが入っている。  

ケーブル屋の店頭には、多様なケーブルが文字通り山と積まれている。


驚くべき事に、このような大規模のモールが、華強北と呼ばれるこのあたり一帯にいくらでもあるらしい。モールごとに特性があり、携帯電話やカメラのようなライトユーザー向け商品が主体のところもあれば、1階からいきなりチップ部品やプリント基板の店が軒を連ねるヘビーなモールもあるようだ。そんな話しをしながら、隣のモールにも足を運ぶ。なるほど、先ほどのモールよりも遙かに部品屋の割合が多い。このモールにはLEDに特化したフロアがある(「LED交易中心」と書いてある)。目が回ってくる。

  

 

なるほど、ここはまさにあらゆる電子工業の一大集散地と言って良い。理由はよくわからないが、不思議な感動を覚える。

よく見ると、部品系のお店は、店頭にある在庫を売るのが主目的ではなく、あくまで商社の窓口に近い存在のようだ。もちろん、店頭にある品を買うことはできる。しかし、ちょっと価格交渉をしてみると、すぐ「いくつ必要か」と聞かれる。1個だというと、一様に良い顔をしない。それではと、あるコネクタの店で「1万個」と言ってみたのだが、さほど動じる様子もなく淡々と価格を提示してきた。マス調達には慣れっこなのかもしれない。ちなみにそのコネクタ1万個は、日本で200個買うより安かった。


あるプリント基板の商社の前で皆でわいわい議論していたら、店の人がサンプル基板を出してくれた。ノベルティだという。

3mil L/Sというかなり細かいうずまきパターンが形成されている。両端には抵抗を測ってみよと言わんばかりのランドがある。ずいぶん挑戦的である。帰国後に測ってみたが、オープンもなく正常であった。やるな。


アキバのラジオデパートといえば不親切そうなオヤジがつきものだが、ここ深圳の店番は若い女の子が多い。しかし、彼女たちは単に店番をしているのではなく、みななにかを組み立てたり梱包したりといった作業をしている。ひどいのになると、フロアの床に座って半田付けをしている女の子もいる。なぜ狭い店頭でそんな製造をする必要があるのかわからないけれど、たいていの店でなにか作っている。

それ以外にも、カップラーメンを食べながら店番している兄ちゃん、乳児の子守をしている奥さん風の女性など、おおよそ電子部品商社という感じがしない。よく言えば敷居が低い、悪く言えば信用できない、でも仲良くなれば信用しあえる。そんな独特の雰囲気が、巨大なモールに層をなしてえんえんと広がる。


そうこうしているうち、あっという間にあたりは真っ暗となり、1日目のツアーはここまで。


初日は懇親会が開催され、総勢25人以上が参加した。みんなで江渡さんが予約してくれた火鍋屋「六婆串串香火锅」へ。

 

店の人も親切でにこやか。タレを自分で調合するのだけれど、中国語表記しかなく難しい。でも、最終的にどう作ってもうまいということがわかって、肯定的に解決。うまい。深圳、初日から最高だ。



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